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毎日新聞2025年3月31日毎日歌壇水原紫苑選

学校へ渡す感情調査票 名のない感情はくもくれんと書く

静岡新聞2025年3月25日読者文芸欄短歌大辻隆弘選秀逸

春風に終わる命の匂い混ぜ午前六時の北へゆく豚

毎日新聞2025年3月24日毎日歌壇水原紫苑選

アッシュールバニパル王も戦争を恐れていたと唄う海豚は

第7回浜松「私の詩」コンクール一般の部浜松市長賞

ひまわり

毎日新聞2025年3月17日毎日歌壇水原紫苑選

 配達は闇を怖れるポケットのなかのジッポは桐に鳳凰

浜松市民文芸第70集定型俳句の部市民文芸賞(髙柳克弘選)

 バット手に入道雲と対峙する みんみんの声をまがって来るボール 南風をかきわけ走る一塁へ 敵味方なく夕闇のビールかな

浜松市民文芸第70集自由律俳句の部市民文芸賞(宮本卓郎選)

ゆびさきのずらした空は春へ

徳島新聞2025年3月8日【国際女性デー 痛みを歌う、明日を願う】ジェンダー短歌田丸まひる選入選

児の看護休暇をとれば奥さんは何者なのか問う面談へ ( 徳島新聞 )

中日新聞2025年3月2日中日歌壇島田修三選

いにしえの海岸線を辿ろうと川鵜の列はほぐされてゆく

静岡新聞2025年2月25日読者文芸欄短歌大辻隆弘選特選

雲ひとつなくきれいとか言うときの雲ってそんなにきたないのかな

中日新聞2025年2月23日中日歌壇島田修三選第二席

くやしさに夕日の赤くにじむ帰路ハクキンカイロの火口は甘い

朝日新聞2025年2月16日朝日歌壇馬場あき子選

絵本から絵がなくなって本になるように幼なは子になってゆく

第1回浜田到顕彰きりしま短歌大会佳作

君のいた時間は鳥のなりをしてときどき湖を影で彩る

中日新聞2025年2月9日中日歌壇島田修三選第二席

郵便のバイクに乗ってさざんかの紅濃き闇へつっこんでいた

静岡新聞2025年1月28日読者文芸欄詩野村喜和夫選一席

天体の音楽

静岡新聞2025年1月28日読者文芸欄俳句恩田侑布子選入選

まぶたなき人形たちのどんど焼

静岡新聞2025年1月28日読者文芸欄川柳尾藤川柳選佳作

陰謀に陰謀論が勝っちゃった

第7回山頭火ふるさと館自由律俳句大会入選

手話の歌うバスは海へゆく

毎日新聞2025年1月20日毎日歌壇伊藤一彦選

ゆびさきも自分なんだとわかるんだ冬の配達おわりの夜は

朝日新聞2025年1月19日朝日俳壇小林貴子選

かつて海のかつて田んぼの冬木立

静岡新聞2025年1月3日新春読者文芸欄詩野村喜和夫選一席

小石

静岡新聞2024年12月24日読者文芸欄詩野村喜和夫選一席

象遣い

静岡新聞2024年12月24日読者文芸欄俳句恩田侑布子選入選

君去りて引力ばかりある枯野

RinRin第255号(冬号2024年12月10日発行)「心の詠み人」前田永子選

牛乳を一気飲みして雲の峰

産経新聞2024年11月28日産経俳壇宮坂静生選

土器片を踏めばオクトーバーフェスト

静岡新聞2024年11月26日読者文芸欄短歌大辻隆弘選特選

火の精の宿るジャワ産珈琲をからだの奥へ奥へと注ぐ

朝日新聞2024年11月24日朝日俳壇高山れおな選

 凩に鳴る魔女たちのイヤリング

第9回攝津幸彦記念賞佳作

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 「ましゅまろ鉄道」30句

第12回俳句四季新人賞最終候補者競詠『俳句四季』2024年12月号

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 「レゴブロック」5句・ミニエッセー

産経新聞2024年11月7日産経歌壇伊藤一彦選

秋空の病院待ちの長椅子のかぎ針編みの指のマニキュア

静岡新聞2024年10月29日読者文芸欄短歌大辻隆弘選入選

あたまではわかっているけどからだにはわかるということなくて早稲の香

静岡新聞2024年10月29日読者文芸欄詩野村喜和夫選

蜘蛛

静岡新聞2024年10月29日読者文芸欄俳句恩田侑布子選入選

履歴書を郵送天の川を踏み

静岡新聞2024年10月29日読者文芸欄川柳尾藤川柳選秀逸

石を投げ前世の俺を押しつぶす

毎日新聞2024年10月27日毎日歌壇水原紫苑選

ハルキストの店主はときどき山羊の目で果汁のように珈琲を言う

毎日新聞2024年10月21日毎日歌壇加藤治郎選

(戦争)が()のなかを出るときにまだ夕焼は目にしみますか

​第1回自由律俳句大賞佳作

夜をきれいに剥がせた声だ

毎日新聞2024年10月14日毎日歌壇加藤治郎選

事件ですか事故ですかそれとも流れ星を追いかけてゆくのですか

令和六年前期掛川城観光俳句・短歌入選

城下なる紫陽花の青映えさせて掛川城は白さにおはす

令和六年前期掛川城観光俳句・短歌入選

青き踏む武者初陣の足どりで

毎日新聞2024年10月7日毎日歌壇水原紫苑選

珈琲のエレメントではコロンビアは風と知るときマコンドは消ゆ

毎日新聞2024年10月7日毎日歌壇加藤治郎選

(戦争)と思っていたら夕闇を浮かぶは脱ぎ捨てられた殻か

週刊金曜日2024年9月27日号金曜俳句174「子規忌」入選

銀輪にはまるボールや獺祭忌

週刊金曜日2024年9月27日号金曜俳句174「稲光」入選

汽水湖のおもてを走る稲光 いなびかり古い印刷所のにおい

静岡新聞2024年9月24日読者文芸欄俳句恩田侑布子選特選一席

君来るなづきへ夏蝶の翅音

産経新聞2024年10月3日産経俳壇宮坂静生選

揺れるまえから揺れている鶏頭花

毎日新聞2024年9月30日毎日歌壇加藤治郎選

通勤快速の緊急停止ボタンを押すたったいま恋が実ったんです

産経新聞2024年9月19日産経歌壇伊藤一彦選

夏枯れの枝を新芽の噴きはじめ商店街の秋が聴こえる

毎日新聞2024年9月2日毎日歌壇伊藤一彦選

こどもらの声から遠い暗がりに原爆と人間展を観る

朝日新聞2024年9月1日朝日歌壇馬場あき子選

 四十度を超える溽暑の地に墜ちた蝙蝠へやる水筒の水

週刊金曜日2024年7月26日号金曜俳句172「稲の花」入選

いねのはな雲のなかより雲生まれ

週刊金曜日2024年7月26日号金曜俳句172「新涼」入選

新涼やまだ湿りたる馬頭琴

NHKラジオ文芸選評【俳句】7月27日「蓮」選者・鴇田智哉

毛穴みな蓮の呼吸へつられけり

毎日新聞2024年7月22日毎日歌壇水原紫苑選

熱帯夜のアートセンター暗がりへあなたはディオゲネスだと告げる

毎日新聞2024年7月22日毎日歌壇加藤治郎選

再配達の再配達の再配達の再配達のキムチ

JP労組新聞2024年7月1日号

老桜と化して部長の昼寝かな

JP労組新聞2024年6月3日号

避けていた人とはなぜかよく会う日

毎日新聞2024年6月3日毎日歌壇水原紫苑選

誰だろう円周率を求めるとからだにいいと気づけた人は

週刊金曜日2024年5月31日号金曜俳句170「夏炉」入選

夏の炉や花嫁の武勇伝など

毎日新聞2024年4月16日毎日歌壇水原紫苑選

夕焼けをいくつも越えたまなざしで西の羊は珈琲を出す 

RinRin第253号(春号2024年4月10日発行)「心の詠み人」水野タケシ選

サブスクにない曲ばかり聴きたがる

みそのの詩歌賞短歌部門候補作

散る風のなかにひとひらのぼりゆく花びらありてそれはわたしだ ( みそのの詩歌賞 )

毎日新聞2024年4月1日毎日歌壇水原紫苑選

夢のなかのわたしはわたしのままなのかはくもくれんのなかの生首( 毎日新聞 )

2024年可睡斎ひなまつり俳句・写真コンテスト優秀賞

背を向けたとたんに雛の笑い声

第6回浜松「私の詩」コンクール一般の部静岡県詩人会長賞

令和五年後期掛川城観光俳句・短歌入選

つわものの石垣撫でる秋思の手

毎日新聞2024年3月4日毎日歌壇加藤治郎選

<audio src="裏声でうたう新古今.wav" autoplay>夕焼だけじゃ声にならない</audio>( 毎日新聞 )

毎日新聞2024年2月19日毎日俳壇小川軽舟選

さざんかや潮騒遠き精神科 

毎日新聞2024年2月5日毎日歌壇水原紫苑選

北を向く信号はみなひび割れて町を逃げ出す気は起こらない

毎日新聞2024年1月22日毎日俳壇西村和子選

散るように風に流され冬の蝶

文芸磐田第四十九号詩部門第一位

お絵かき教室 ( 磐田市 )

毎日新聞2023年12月12日毎日歌壇水原紫苑選

日本海の色を見たくて西田幾多郎記念哲学館をおとなう

第31回可児市文芸祭現代詩部門市長賞

入院生活  ( 可児市 )

毎日新聞2023年11月27日毎日歌壇水原紫苑選

夜ということばを死語にするように銀杏黄葉は音立てて散る

毎日新聞2023年11月20日毎日歌壇伊藤一彦選

絶対に自分は間違えていると信じる人の言葉は強い ( 毎日新聞 )

いしかわ百万石文化祭2023短歌大会一般の部三井修選者賞・鈴木英子選入選

この星に水があるのは悲しみをうすめ流してわかちあうため

第四十一回子規顕彰全国短歌大会秋葉四郎選入選・中川佐和子選入選

AIが私らしいと言う服をそのまま着れば私らしくて

毎日新聞2023年11月14日毎日歌壇水原紫苑選

河はみな海へ注ぐと思う日の注いだあとの河はわたしだ ( 毎日新聞 )

第44回全日本短歌大会秀作賞

星の名を教えてくれた祖母は逝き知らない星を祖母の名で呼ぶ

第三十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞佳作特別賞

脳の恋する部位はもうすみれ草( 伊藤園 )

第9回詩歌トライアスロン鼎立部門受賞連載

第1回俳句連作「 シガーソケット 」 第2回自由詩「 忘れられた怪獣 」 第3回短歌連作「 前頭葉の色づくころ 」 第4回俳句連作「 スポークンワード 」 第5回自由詩「 眠りの南で 」 第6回短歌連作「 郵便的な、あまりに郵便的な 」 第7回俳句連作「 グロブスター 」 第8回自由詩「 西遠叙景 」 第9回短歌連作「 しっぽり太ゴシックな午後 」 第10回俳句連作「 ゴムボック 」 第11回自由詩「 化石律 」 第12回短歌「 木星紀年法 」

第37回全国短歌フォーラムin塩尻入選

外来の外と来とはヒトのせい空港跡のながみひなげし( 短歌フォーラムin塩尻 )

毎日新聞2023年9月25日毎日歌壇加藤治郎選

アンケート□男□女にレを打てず紙はずらされ□犬にレと打つ

第二十五回春日万葉の森歌垣大会人麿賞

百年を寝てきた顔で潮風の図書館で読む今朝の新聞

毎日新聞2023年9月4日毎日歌壇水原紫苑選

日本語の黒にあたる語百以上あると闇より来た君は言う

毎日新聞2023年7月17日毎日歌壇伊藤一彦選

平社員であり続けるのはむつかしいちょっと気をぬきゃでこぼこ社員 

毎日新聞2023年7月3日毎日歌壇水原紫苑選

シオランと志ん朝を読む潮と汐ことばは衣をまとった魚( 毎日新聞 )

毎日新聞2023年7月3日毎日歌壇伊藤一彦選

非正規と正規おなじにするために不利な方へと合わせる弊社

第六十六回短歌研究新人賞最終選考通過作

銀色のギターケースをかつぐひと樹のたましいは月面にある 風呂という海をあごまでもちあげる『夜間飛行』の栞は髪だ てのひらのくぼむかたちは三日月が地のすれすれにあった名残りだ なんとなくえがおの人を避けているえがおはひとを責めたてる顔 ひとりでは広すぎるから夏空のここより先は君の言語野 スープから熱の引くのを待っている湖を立つ鳥を思って にぎったら洗ってすぐの手であった清潔だけど体温じゃない 昼寝したつもりになっていたけれど海は少しも動いていない 音もなく日付は変わる牛乳は飲めない白い液体となる だんだんと風の長さがわからなくなりお別れのことばを言った

毎日新聞2023年6月19日毎日歌壇伊藤一彦選

なんのためか知らずに入るレントゲン部屋の機械はかすかな翅音

毎日新聞2023年6月19日毎日歌壇水原紫苑選

ヒトののち花や星々うまれたと神話は語るパンは黴びゆく

毎日新聞2023年6月19日毎日歌壇米川千嘉子選

渡せずに積み重なった君宛ての手紙の重さとして私だ

毎日新聞2023年6月13日毎日歌壇加藤治郎選

みんな地雷原をぬけた気でいる郵便局の自爆営業

毎日新聞2023年6月5日毎日歌壇加藤治郎選

戦争を愉しむ貌のないこども樹皮へつながるイヤホンは抜く( 毎日新聞 )

第9回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞作 短歌「誤配」他

短歌連作「 誤配 」( 詩客 ) 【抜粋】 泳ぎたい鳥と飛びたい魚いて誰かと話したいヒトがいる

毎日新聞2023年5月22日毎日歌壇水原紫苑選

食道に蝶のつかえている気分あす君は誰かの妻となる

毎日新聞2023年5月16日毎日歌壇加藤治郎選

※この歌はAIによる創作が含まれており審議中です( 毎日新聞 )

毎日新聞2023年5月16日毎日歌壇水原紫苑選

配達の順路は海へ交わって速達へ貼る魚の切手

毎日新聞2023年5月8日毎日歌壇水原紫苑選

人類はうち勝てますか沖へゆく漁り火のなか異星人の火 

毎日新聞2023年5月8日毎日歌壇米川千嘉子選

好きな人に十二年いた恋人は嘘だと知った夕の花冷え

毎日新聞2023年4月24日毎日歌壇伊藤一彦選

あたらしいノートブックを買うように余白の広い詩集をひらく( 毎日新聞 )

毎日新聞2023年4月24日毎日歌壇加藤治郎選

一生を棒に振るとか知らんがな一生分の素振りだ今は

毎日新聞2023年4月18日毎日歌壇加藤治郎選

歯車はかみあわなくて郵便がおおきな池のまんなかに浮く( 毎日新聞 )

毎日新聞2023年4月18日毎日歌壇米川千嘉子選

好きという言葉を君に伝えたら好きの気持ちが減るかも 桜

毎日新聞2023年3月27日毎日歌壇水原紫苑選

宛先のひとつは春の月となり夜の峠へ郵便夫ゆく( 毎日新聞 )

毎日新聞2023年3月27日毎日歌壇加藤治郎選

ちはやぶる神曲を聴きぼくらこのワンルームから恋人となる

浜松市民文芸第68集短歌の部市民文芸賞(清水正人選)

人生へ読点を打つ血と肉となった書籍を紐で縛って 売るための本をバイクにくくりつけ秋風よりも秋風となる 売りがたさもろとも本の値段とす古本市は秋晴のなか 午後四時に魔法は解けて古書売りは足の疲れた父親となる ( 静岡新聞 )

毎日新聞2023年3月14日毎日歌壇伊藤一彦選

冷蔵庫のどこかに賞味期限切れソイミート冷ゆグラムシを読む 

第31回岐阜県文芸祭一般短歌部門入選

聴衆は月と真冬の烏のみ夜汽車の音のあわいを歌う

毎日新聞2023年2月27日毎日歌壇加藤治郎選

人体はレゴのブロックめいている接骨院も整骨院も

第五回笹井宏之賞最終選考候補作「太陽、三割引き」

中古車を解体したらエンジンに金魚が眠る 目はないけれど 廃炉から鴉が白くなるまでの虹のこととか影のこととか デモ隊の君のあとから君が来る太陽だって少しは動く 雲ひとつ動かないとか告げられて喪服の人がみんな見上げる 駅員は夜からぼくをひっぺがし赤い光をまとえと言った 親指は切りはなしてもすぐ戻る父だった人の好きな手品 あばら骨を動かし指で肺を押す こどものときの空気がぬける 海底に母がいるなら三色の蛍光ペンを波間に置こう 耳のさきすこし尖ってきたような最近石の声が多くて 音だけじゃ撃たれたものは分からない太陽はもうコンビニにある

第二十四回万葉の里短歌募集「あなたを想う恋のうた」優秀賞

ひまわりの影が大きくなってゆくもう一度だけ嘘を信じる ( 越前市 )

毎日新聞2023年2月20日毎日歌壇加藤治郎選

豚肉を紙に包んで買うときの高層ビルは夕焼の色

ふじのくに芸術祭2022(第62回静岡県芸術祭)文学部門文芸コンクール・短歌・産経新聞社賞

遠花火 夏まつりの案内が来て児とゆけばただ赤茶けた更地があった 「きこえた」と児の指す塀へそら色のラムネの瓶の破片が刺さる 咳ばかりしている町の暗がりに祭名残りの提灯は赤 マスクせず浴衣の群れとすれちがう夕焼けの色恐ろしいとき 砂浜に児と腰かけて聴いている遠い花火の燃えつきる音

第23回若山牧水青春短歌大賞佳作入選

どのように泳げばいいか分からない君のやわらかさを知ってから ( 延岡市 )

RinRin第249号(立春号2023年2月1日発行)「心の詠み人」梅内美華子選

綿詰めにされた故人のかたわらにまだ風を待つ白いオカリナ

毎日新聞2023年1月16日毎日歌壇米川千嘉子選

職場とは離れた道ですれちがう聴いたことない君の声聴く

第12回青の國若山牧水短歌大会題詠「声」佳作

声はもう忘れた祖父の遺言はカラマーゾフの兄弟を読め

第30回可児市文芸祭短歌部門優秀賞

遠巻きに見ている人の手拍子をたよりに弦を弾く年の瀬

毎日新聞2022年11月28日毎日歌壇米川千嘉子選

 「帆」の字を名にもつ人を好きになりその人とゆく離島を思う 

朝日新聞2022年11月27日朝日歌壇永田和宏選

あの音はもう鳴ることはないのだな通夜会場の白いオカリナ

第34回葉桜短歌賞佳作

三日月は音なく沈む祖母の死をひとつき経って知ったコロナ禍

毎日新聞2022年10月10日毎日歌壇伊藤一彦選

太陽のひかりにさらす履歴書の熱さそのまま封じて送る

第77回尼崎市文芸祭短歌部門入選

ゆびさきの声だけがまだあたたかいただ空っぽの座る犬小屋

伎倍の茶屋短歌大会(伎倍の茶屋三周年記念)浜北区長賞

甘酒を児と飲むきっと万葉の人の食事もこんな温度だ

毎日新聞2022年8月15日毎日歌壇伊藤一彦選

赤道の南から来た店員が「超おいしい」とおにぎりを言う

第六十五回短歌研究新人賞最終選考通過作

店頭の除菌スプレー中身ではなく習慣へ両手をさらす 液晶へ夕焼け映し夕焼の画像を祖母と思って握る アイドルの生写真買う写真より生という語を愛したゆえに バス来るを疑いだした三人のバス待ち人は波を待ちだす プレゼント包装として葉を添える干からびていてかさかさ鳴る葉 薬局で買うパン・お菓子・ジュースならからだが軽くなっていくかも 電話機の中身をぶちまけたような夜を走ろう声のはてまで 一斤の高級だった食パンの奥深くより獣の臭い 見たときは午後二時だった時計いまごまかすように五分進んだ さざんかの散るたび海は広がって静かな夜の裾を湿らす

第百四十六回明治記念綜合短歌大会佳作

春風を歩めば思ふ祖母の手のやはらかきことを話したことを

第三回「文芸思潮」短歌賞優秀賞

手のひらを逃れこぼるる風花のやがては風となり果つるかも

RinRin第246号(立夏号2022年5月1日発行)「心の詠み人」梅内美華子選

木蓮のつぼみは放つ異界より押しだされたる八百万の色

テーマ「庭」佳作NHK短歌2021年3月佐伯裕子選

牛丼は一個の庭だ食べるときさまざまなこと思い出される

テーマ「チーム(仲間)」佳作NHK短歌2021年3月佐佐木頼綱選

追いかけた背番号消え残された数字を追って踏み板を蹴る

第二十三回後鳥羽院短歌大賞入選三枝昂之選

読み聴かす絵本は終わり児は眠り海底ひとりとり残される( PDF )

テーマ「駅」佳作NHK短歌2021年2月大森静香選

君は駅ひかりを拾い集めては遠い心をひからせている

毎日新聞2022年3月15日毎日歌壇加藤治郎選

M―1で同窓生が一回戦敗退と知る、生きていたんだ

第十九回吉井勇顕彰短歌大会吉井勇大賞

配達区全域早稲の香に満ちてはちきれさうな郵便の束 ( 香美市 )

第二十三回万葉の里短歌募集「あなたを想う恋のうた」佳作

ぼくなりに大事にしてたでも君は雪の荒野へ攫われたがる ( あなたを想う恋のうた )

第61回静岡県芸術祭文学部門文芸コンクール短歌入選 - 甲太郎歌帖

夏潮 保育園の送り迎えに倦むと妻いつもと違う夕焼の色 牛乳と味噌汁流れこむ闇の底から妻のため息を聴く 自動車は妻が使えば吾は児を園へ迎えに真夏を歩く 青空を遊びきる児の顔に泥ペットボトルの水もて漱ぐ 保育園帰りの吾と児を拾う妻の車は夏潮へゆく

名古屋市短歌会館第十五回短歌大会入選

貸すときは北風色のパーカーを君は春風色に着て来る

テーマ「肴」佳作NHK短歌2021年1月田村元選

男子校一年生の一学期だけを肴に二升目となる

第二十四回長塚節文学賞短歌の部入選

牛丼へ黄身を落として啜り食う賀状配りの出勤前に( 常総市PDF )

毎日新聞2022年2月7日毎日歌壇米川千嘉子選

帰路に見たオリオンすごく大きいな好きな人には好きな人いて( 毎日新聞 )

中日新聞2022年2月6日中日歌壇島田修三選入選

教材のすみ猛禽の顔をしてハイデガー氏が死について説く

第六回富士山大賞2021優秀賞

肩車した児が叫ぶ「ふじさん」と親子ふたりで富士山になる( 富士山大賞PDF )

中日新聞2021年12月26日中日歌壇年間賞最優秀

島田修三選最優秀 春雨を吸う靴でゆくこの町でもっとも月に近い扉へ( 中日新聞 )

テーマ「書店」佳作NHK短歌2021年11月佐伯裕子選

古書店へ手づくりのzine納品しチェコの絵本を買う秋の暮

中日新聞2021年12月19日中日歌壇小島ゆかり選入選

漁期果て日焼け漁師の焼きあげる鯛焼き耳の残りて四角

第8回福岡女学院短歌コンクール佳作

終電の光にふいに照らされて今の私が影絵になった

令和三年熱田神宮献詠祭佳作

前職はなぜ辞めました? 喉を突く剣のような面接の問い

第二十五回葛城歌壇短歌大会佳作

郵便のバイクへ吠える犬は消え陶器の犬が居座っている

第20回土岐市文芸祭一般の部短歌部門文芸祭賞

傷多きサイドミラーに夕焼けと君を映して橋を渡ろう( 東濃ニュース )

第11回青の國若山牧水短歌大会題詠「海」佳作

海風を含み膨らむ郵便を束ねて落とす魚臭き闇( 夕刊デイリー )

文芸おぢや第41号短歌特選(選:小島なお)

一歩だけ蝉時雨から外へ出て自分は父になったと気付く 羽根つきの餃子はありて羽根つきの人間をらず後輩の通夜

第23回美濃加茂市文芸祭短歌の部入選

伸びきったマスクの紐と離縁した人のことばは耳に優しい

毎日新聞2021年11月22日毎日歌壇伊藤一彦選

窓にまだ君の指紋の残りおり雨の消せない体温として

第33回葉桜短歌賞佳作

肩車する児は「つき」へ行けと言う今を逃せば行けないだろう

紀の国わかやま文化祭2021きのくに短歌の祭典東直子特選

神木のうろにはさまるビー玉の映す色みな夜祭の影

紀の国わかやま文化祭2021きのくに短歌の祭典江戸雪選者賞

君へ貸す夜風の色のパーカーのフードのうちにはりつく桜

紀の国わかやま文化祭2021きのくに短歌の祭典日本歌人クラブ賞

病室の折り鶴つくりかえ飛ばす紙飛行機のその先の空

第十八回三輪山まほろば短歌賞松崎英二司選入選

珈琲の水を汲むため山を越え山又山を越えて一杯

第十八回三輪山まほろば短歌賞奈賀美和子選入選

近道はこっちだよって言う君へ遠回りして伝えたいはな

第50回全国短歌大会内藤明選佳作

電柱を辿れば海へ着くだろう春から夏へ変わる口笛

第50回全国短歌大会栗木京子選者賞

生命を宿した過去のないビルで人事へ告げる妻の臨月

第四十回静岡県短歌大会題詠佳作清水正人選

人生を語らぬ祖父の遺言は「カラマーゾフの兄弟を読め」

第四十回静岡県短歌大会自由詠秀作賞・選者賞冨岡悦子選

北風にめくれぬように絵本抱く児を曳き妻の病室へゆく

第39回子規顕彰全国短歌大会坂井修一特選

潮風を電気に変える翼から獣めく声聴こえ夕暮

第二十四回ことばの祭典《短歌の部》梶原さい子選佳作

光呑み音呑み火呑み燃えかすの花火を呑んでなお暗い海

中日新聞2021年10月24日中日歌壇島田修三選入選

土日祝休配の法施行され秋晴れへ干す郵便制服

RinRin第244号(立冬号2021年11月1日発行)「心の詠み人」梅内美華子選

羽根つきの餃子の羽根を羽根もたぬ吾は箸もて音たてて割る

テーマ「道」佳作NHK短歌2021年9月田村元選

配達の道順にない小径ぬけ額あぢさゐに取り囲まれる

中日新聞2021年10月10日中日歌壇島田修三選入選

赤茶けた更地の隅の受箱へ「郵便です」と秋風を差す

第15回全日本学生・ジュニア短歌大会大西久美子選者賞

電車から見ていた町に住みはじめ車窓を意識しながら歩く

第76回尼崎市文芸祭短歌部門入選

向日葵の立ち枯れてゆく雄々しさに習ひて吾は警棒を振る

第41回全国万葉短歌大会万葉賞

木蓮の花は開けり君の名は手話で言ふならこんなかたちに

第57回岐阜市文芸祭一般の部短歌佳作

夜よりも濃い葉の底の枇杷の実よ児のうちあける妻の口癖

テーマ「ファミレス」佳作NHK短歌2021年8月佐伯裕子選

真夜中の小鳥を呼べるファミレスの「話を聞いて」ボタンを押せば

中日新聞2021年9月12日中日歌壇島田修三選第二席

出張し心の裡を診せにゆく名古屋駅前ビルの高さよ

第50回全国短歌大会朝日新聞社賞・黒瀬珂瀾選者賞

ウイルスに負けてもいいよ十字架の赤いネオンは月へ触れそう ( 現代歌人協会 )

テーマ「勝つ」佳作NHK短歌2021年7月佐佐木頼綱選

サッカーの試合に勝った少女らの拭わずにいる頬の春泥

第六十四回短歌研究新人賞予選通過作

シャツにつく抹茶アイスの緑色 海から雨のはじまっている 陸上で生きるヒトではないぼくはうまく呼吸を続けられない

朝日新聞2021年8月8日朝日歌壇馬場あき子選第二首

ふるさとの肉を何度も噛みしめるインドネシアの実習生は

第22回杉原千畝記念短歌大会高校生・大学生の部勇気賞

散ればもう二度ともどらぬ木蓮の花びらのよう生きているとは

第二十三回春日万葉の森歌垣大会人麿賞(春日の森賞)

球場の誰も座らぬスタンドに無言の夏が腰かけている

テーマ「トイレ」佳作秀歌NHK短歌2021年6月佐伯裕子選

潮どきをまだつかめない児のトイレトレーニングのとうめいな渦

テーマ「街・町・まち」佳作NHK短歌2021年6月田村元選

屋根のある町の尽きたらそれからは雨に降られる町のはじまる

中日新聞2021年7月18日中日歌壇島田修三選入選

東京へ行きたいと言う後輩の描く東京ならば行きたい

朝日新聞2021年7月11日朝日歌壇永田和宏選二首目・佐佐木幸綱選第三首共選

周庭の黒い無言を塗り分ける鉛筆が要るそれと光も

中日新聞2021年6月27日中日歌壇島田修三選入選

配達の近道失くす小満の植物たちの伸びるはやさに

テーマ「職場」佳作NHK短歌2021年5月佐伯裕子選

夜の来る郵便室の区分棚はがきの束は明日の手を待つ

題「投げる」特選第一席NHK短歌2021年6月佐佐木頼綱選

郵便の投函のたび指先は世界のふちの春風を押す

朝日新聞2021年6月6日朝日歌壇佐佐木幸綱選・高野公彦選三首目共選

スピノザのレンズ磨きの手つきまね家々めぐり郵便を差す

中日新聞2021年6月6日中日歌壇島田修三選第二席

夏の闇へ指を忍ばせ取り戻す一軒あとへ差すべき葉書

題「握る」佳作NHK短歌2021年4月佐佐木頼綱選

傘の柄を握るてのひらゆるめれば回りはじめる夜の電飾

第36回蒲郡俊成短歌大会入選

海へゆく郵便バイク荷箱からはみ出して咲く向日葵の花

題「心」入選NHK短歌2021年4月大森静佳選

心臓に毛が生えていて春風にそよげば君の町を歩ける

題「比」佳作NHK短歌2021年3月寺井龍哉選

比喩としてシーラカンスを使う夜ラジオはぬるい小雨を告げる

題「眼鏡」佳作NHK短歌2021年3月小島なお選

藍色の眼鏡をたたみ置けば消ゆ街の灯ひとつ友だちひとつ

第26回 「 はがき歌」全国コンテスト一般部門秀作

「読め」と遺した祖父へ―― 遺言の『カラマーゾフの兄弟』を見つけるたびに一巻がない

中日新聞2021年3月28日中日歌壇島田修三選

海際の夜へ配達しに行けば吾のみを照らす春の月かも

浜松市民文芸第66集短歌の部市民文芸賞(村木道彦選)

病院に山茶花の咲く夕刻は山から雨のはじまる予感 点滴に繋がれている児の眠り青い震えは星と呼ばれて 病院の高い窓から妻と児が見下ろす息で玻璃は曇れど ( 静岡新聞 )

題「犬・戌」佳作NHK短歌2021年2月松村正直選

新聞の配達員へ吠えないが郵便夫には吠える柴犬

中日新聞2021年3月14日中日歌壇島田修三選

区分棚から恋の声漏れ聞こゆ定形外で塞ぎきれずに

中日新聞2021年3月7日中日歌壇島田修三選第一席

春雨を吸う靴でゆくこの町でもっとも月に近い扉へ

第9回山上憶良短歌賞入選

病院の壁に貼られた鳥の絵へ児は点滴のない手を伸ばす( 倉吉市立図書館pdf )

第15回「ふるさとを詠う」短歌コンクール審査委員特別賞

ピアノ売る 冬の星座を凍らせた母の歌声こそがふるさと

第60回静岡県芸術祭文学部門文芸コンクール短歌奨励賞

冷蔵庫のなかの空 眠らない児らの集まる公園へ届こうとする満月の蒼 児のひらく夜の絵本は昼間には見つけられない獣がひそむ 真夜中の児はあけたがる冷蔵庫「もーもーいた」と青空を指す カーテンと月の光にくるまれる児にやまなしのかおり耀く 川べりを歩く児の指す宙の果てきっと名前を持たない星座 ( ふじのくに芸術祭2020 )

題「カレンダー・手帳」佳作NHK短歌2021年1月小島なお選

荷箱には収まりきらぬカレンダー脇に挟みて郵便夫ゆく

題「蛇口」第二席NHK短歌2021年2月小島なお選

ハンカチで蛇口を拭いて去る人の肩へこぼれる柊の花

中日新聞2021年2月14日中日歌壇島田修三選第三席

夕刊と郵便の配達員が三日月のもと会釈を交わす

第21回若山牧水青春短歌大賞佳作入選

恐竜が目覚めるほどの恋をしてあとは滅びるだけの僕らだ( 延岡市 )

中日新聞2021年1月31日中日歌壇島田修三選

『城』を読む 冬の東京シモキタを飢えて彷徨う夜もあったな

第22回NHK全国短歌大会題詠入選

結婚し苗字を変えたのに祖父や父と似てきた髪の生え際

RinRin第241号(立春号2021年2月1日発行)「心の詠み人」梅内美華子選

汽水湖に湿る家族は三人で分け合って飲む蜜柑のジュース

中日新聞2021年1月24日中日歌壇島田修三選第三席

ありえないほど真っ白な飛行機が郵便夫らの頭上をよぎる

中日新聞2021年1月17日中日歌壇島田修三選第一席

配達を終え凍る手を加湿器へあてがう指を取り戻すため

中日新聞2021年1月10日中日歌壇島田修三選第三席

宛所にたずねあたらず還されるサンタクロース宛の封筒

中日新聞2020年12月27日中日歌壇年間賞

島田修三選優秀 第四種郵便はこぶバイクから秋の薫りの速達こぼる 小島ゆかり選佳作 虫さされ跡に傷跡日焼け跡こどもの脚は地図で日記だ

題「羊・未」佳作NHK短歌2020年11月松村正直選

菜園の山羊は園児の手を浴びて細き眼にトマトの映る

中日新聞2020年12月13日中日歌壇島田修三選第二席

ワセリンを手指手首に塗りたくる冬の葉書に切られぬように

題「猿・申」入選NHK短歌2020年12月寺井龍哉選

庚申の堂へふかぶかお辞儀する園児の列はさざんかへ消ゆ

題「草」令和二年熱田神宮献詠祭一般の部選外佳作

児の手折る草は名草にあらねども児の手折るゆゑ玻璃の器へ生く

第20回海音寺潮五郎記念「銀杏文芸賞」短歌部門佳作

空はまだ青 おりがみを折ってなにかを児はつくる名など無いけどなにかは赤い 母の折る鶴をほどいてしまう児の指に塗られたクレヨンの白 おりがみはやぶかれみなみかぜに散る折り目に鳥のかたちの記憶 おりがみの紺を柑樹へ添える児よそよげば紙も葉のにおいして 吾のつくる紙飛行機を児は飛ばすすぐに落ちても空はまだ青( 伊佐市 )

第26回宮柊二記念全国短歌大会秀逸Ⅱ

入院の児のともだちはすぐできる点滴のない掌を合わせたら( 魚沼市PDF )

題「変」佳作NHK短歌2020年10月寺井龍哉選

漆黒の爪に針路を変えられた蟬のゆく空どこまでも青

矢切の里文学祭第15回初恋短歌大会秀作

チョコレートアイスを君にかじられて僕の心に残った歯跡

椿大神社第38回短詩形文学献詠祭大辻隆弘選入選

八月の鳥居をくぐり夏帽を肋のくぼむほどに押し当つ

中日新聞2020年10月25日中日歌壇島田修三選

樹の下に憩うウーバーイーツいて胃袋色の太腿さらす

中日新聞2020年10月4日中日歌壇小島ゆかり選第一席

虫さされ跡に傷跡日焼け跡こどもの脚は地図で日記だ

中日新聞2020年10月4日中日歌壇島田修三選第一席

第四種郵便はこぶバイクから秋の薫りの速達こぼる

中日新聞2020年9月27日中日歌壇島田修三選

大雨の夜に放送大学のラジオを聴けばたわむ哲学

第十四回全日本学生・ジュニア短歌大会〈高校生・大学専門学生の部〉結城千賀子選者賞

自転車を追いこす風を追いこした自転車乗りの汗は海色( 日本歌人クラブ )

第49回全国短歌大会学生短歌賞・奥田亡羊選者賞

橋をゆく車の尾灯みな空を飛べる強さを秘めて夕焼け( 朝日新聞 )

中日新聞2020年9月6日中日歌壇小島ゆかり選

「暑いね」と言えば誰かが「暑いね」と返す ふりむく だあれもいない

中日新聞2020年8月23日中日歌壇小島ゆかり選

編集の職に戻った妻を置き児とふたりきり夏潮へゆく

短歌地図

短歌の着想を得た地点やゆかりの地点、そして移動を記録した地図。もしかしたら心理地理学の系譜に連なるかもしれない。 ピンをクリックすると説明で短歌を読める。レイヤーは年毎に分類してある。