第20回海音寺潮五郎記念「銀杏文芸賞」短歌部門佳作

空はまだ青
おりがみを折ってなにかを児はつくる名など無いけどなにかは赤い
母の折る鶴をほどいてしまう児の指に塗られたクレヨンの白
おりがみはやぶかれみなみかぜに散る折り目に鳥のかたちの記憶
おりがみの紺を柑樹へ添える児よそよげば紙も葉のにおいして
吾のつくる紙飛行機を児は飛ばすすぐに落ちても空はまだ青(伊佐市

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