ふじのくに芸術祭2022(第62回静岡県芸術祭)文学部門文芸コンクール・短歌・産経新聞社賞

遠花火
夏まつりの案内が来て児とゆけばただ赤茶けた更地があった
「きこえた」と児の指す塀へそら色のラムネの瓶の破片が刺さる
咳ばかりしている町の暗がりに祭名残りの提灯は赤
マスクせず浴衣の群れとすれちがう夕焼けの色恐ろしいとき
砂浜に児と腰かけて聴いている遠い花火の燃えつきる音

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