第61回静岡県芸術祭文学部門文芸コンクール短歌入選 - 甲太郎歌帖

夏潮
保育園の送り迎えに倦むと妻いつもと違う夕焼の色
牛乳と味噌汁流れこむ闇の底から妻のため息を聴く
自動車は妻が使えば吾は児を園へ迎えに真夏を歩く
青空を遊びきる児の顔に泥ペットボトルの水もて漱ぐ
保育園帰りの吾と児を拾う妻の車は夏潮へゆく

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